前回は未相続のケースをご紹介しましたが、今回は悪意(すなわち故意)のケースを紹介します。
(2)購入したい土地・建物に所有権移転の仮登記や差押の登記がある場合
購入したい土地や建物を売買契約したのに所有権移転が出来ないケースは、別紙土地建物全部事項証明書の甲区欄に差押登記や所有者とは違う名義人の所有権移転予約の仮登記がある場合です。
1.差押登記の場合
この登記があるときは、この土地建物の管轄する裁判所にて競売の時期について尋ねたり、差押登記を付けている債権者に状況を尋ねて購入予定の土地建物を現在の所有者と売買契約を締結してもよいかどうかを確認することをお勧めします。契約締結前後に競売が実施された場合、競売にて落札した買受人に土地建物の所有権が移り、契約時に支払った手付金等は返却されないことが多いので、是非、裁判所なり債権者に連絡を取るか、土地建物を紹介していただいた不動産業者及び建築業者に確認させて上で売買の話を進めてください。この場合の売主は金銭的に困窮しているので、状況を買主に隠して売買を進め、契約締結時に手付金のみ取った後に行方不明となって買主が泣き寝入りとなりかねないです。
2.所有権移転(予約)仮登記の場合
この登記がある場合、ある一定の時期が来れば所有権移転の本登記を行うと第三者に知らしめるために登記です。よって、第三者が所有権移転登記をするためには、土地建物全部事項証明書の甲区の番号が新しい仮登記の抹消を行っていただくか、今回の所有権移転登記の承諾をいただくかのどちらかがないと第三者への所有権移転登記は行えません。このために承諾がない場合や登記抹消が出来ないと売買できないので、事前に売主様により仮登記の抹消していただくことが大事です。
登記については不動産業者でも知らないことがあるので、売買契約締結前に最寄の司法書士事務所で判断していただければ、安心ですよ。
総社不動産センターでは、こういったお悩みのご相談も受け付けておりますので、お気軽にお尋ねください。